前回のあらすじ

 

 スーパーハイメガキャノンの出力を200%で解放し、G・ハンマーを撃破した銀次!

だが、すべてのオーラ力を使い果たし、キャバレーmk−2に敗れ去る。

その後、サミーが『ウイング−零』で出撃して、キャバレーmk−2をあっさりと撃破し、戦いは、シュウとの一騎打ちにもつれ込んだ 。

「我が魔道スーツと同じ名を持つ少女、河合砂沙美・・・どれほど実力か試してやろう」 シュウが操る魔道スーツ『ササミー』が、ライフルを構え戦闘態勢に入った。

「この人を倒せば、美沙緒ちゃんを助け出せる!」

 サミーの操る魔道スーツ『ウイング−零』も、バスターライフルを構え戦闘態勢に入った。

 

最終話 「メビウスの輪 光の翼」

 

 先手は、ササミー。

ライフルを数発撃ち込み、ウイングのバランスを崩してサーベルで切り込む!

だが、ウイングは高い機動性を生かし、これをなんとか回避する。

 機体の基本性能では、ウイングに分があるが、パイロットの能力では、数々の修羅場をくぐり抜けてきたシュウに分があった。

 シュウは、持ち前の感と反射神経、そして経験をフルに生かし、機体の性能差を埋め、ウイングと、互角以上の戦いをしている。

 一方サミーは、反射神経や運動能力は人並み以上だが、慣れない機械の操作にとまどい、思うように戦えないのである。  

 長期戦に持ち込み、魔道スーツの操作に慣れれば、サミー優位になるのだが、今回はタイムリミットがあるのだ。

 シュウによって、美沙緒が完全密封された部屋に閉じこめられているのである。

残り時間は15分。それまでに美沙緒を救出できなければ、窒息死してしまう。

「美沙緒ちゃんをどこに隠したの!」

 サミーが叫ぶ。

「おまえの、真下さ・・・」

「あれ・・・」  

 サミーが下を覗くと、美沙緒が上を見上げていた。

「彼女は、私の母になってくれるかもしれない女性だ・・・殺しはしない」

 とシュウが言う。

「もしかして・・・マザコン?」

とサミーが言う。

「ロリコンかもしれないよ・・・」

こちらは魎皇鬼。

 シリアスから一転、ギャグなムードがあたりに漂う。

 だが、それもそう長くはなかった。

「サミー! 聞こえる?」

 鷲羽からの通信である。

「どうしたんですか鷲羽先生?」

「よく聞いてサミー。今、巨大な隕石が地球に向かって降下してきているの。もしこれが地上に落ちたら、人類は絶滅するわ!」

「・・・・どげげげげげっ!」

美沙緒が無事でも、人類が絶滅すれば、結局は同じ。

「・・・そうねっ!あなたが『隕石落とし』をしたのね!」

 サミーは、ビッシとシュウを指さした。

「なぜ私が・・・・」

「だって、隕石落としは、あなたの専売特許じゃない!」

「サミー・・・作品が違うよ・・・・」

 まじめな表情で言うサミーに、魎皇鬼は呆れながら答えた。

「とにかく、何とかしないと・・・・鷲羽先生なんとかならないんですか」

「方法はあるわ・・・ウイングのモードを『Vモード』に変更して、そのバスターライフルで、あるポイントを撃ち抜けば・・・しかし・・・」

「そう・・・悪いが、私がじゃまをさせていただく!」

 シュウが、再びウイングに向けてビームを発射した。

ウイングは、避けずにこれを受け止める。

ウイングの下には美沙緒がいるのである。かわせば美沙緒はビームの熱に焼かれ、蒸発してしまうだろう。

「美沙緒ちゃん! 早く逃げて!」

 だが、美沙緒は恐怖で動くことが出来なかった。

「このままじゃ・・・魎ちゃんだけでも逃げて!」

「ボクにはそんなこと出来ない! サミーを見捨てて逃げるなんて・・・」

「魎ちゃん・・・」 

 などというやりとりを、サミーと魎皇鬼がしている間に、突然草むらから現れた二人の男が、美沙緒を抱きかかえ走り去っていった。

「今の人・・・」

 魎皇鬼は見ていた。

 一人は、敵と味方を一機ずつ撃破した銀次と、もう一人は戦う前に味方に撃墜された天地であった。

「と、とにかく、これで思いっきり戦えるぞ、サミー!」

「ようっし、行くよ!」

 敵ののビームをかわし、サーベルで、ササミーの腹部を貫く!

バチバチッという音を立て、ササミーは地上へ落ちていった。

「なんか・・・あっさりと片づいちゃったね・・・今度は、隕石だ!」

 魎皇鬼は、まるでブライト艦長のように、サミーへ命令を下した。

「うん! Vモード起動! バスターライフルエネルギー充填!」

「よし!これで大団円だ!」

 魎皇鬼が勝利を確信したその時である!

「まだだ・・・まだ終わらんよ・・・」

 シュウがしぶとく現れた。

隕石を背にして、巨大なキャノン砲をかまえる。

「サミー、チャンスは一度きりよ! 外せば次のエネルギーを充填する時間がないわ」

 通信機から、鷲羽がプレッシャーをかけてくる。

「エネルギー充填率120%! 今だサミー!!!」

「いっけぇーーーーーーーーッ!!!!!」

 サミーが叫ぶ!

「邪魔はさせん!」

 シュウも叫ぶ!

 二人が同時に放ったビームは、空中衝突し、やや軌道が変わって交差した。

ウイングが放ったビームは、ササミーを撃破し、隕石へ命中した。

そして・・・・

「ダメッ、かわせない! キャーーーーーーーーーーーーーッ!」

 

 

「そんな・・・」

 鷲羽はガックリと肩を落とした。

『まさか・・・』

 阿重霞が、魎呼が、先ほど美沙緒を抱えて、超人的早さで戻ってきた、銀次と天地が、そして美沙緒が・・・ある予感を胸中に抱いていた。

「もしかして、サミー死んじゃったの?」

「ちょと、美星ッ! あんた、なんて事を言うの!」

「く、くるしい〜清音ぇ〜」

 清音が、美星の首を絞めて、ユサユサと揺さぶった。

「そこっ! 漫才は他でやりなさい! 事態は深刻よ。 みんなこれを見て!」

 ディスプレイに、大きな球体と小さな球体が映し出された。

「この大きいのが地球。そして小さいのが隕石。さっきのビームで隕石が二つに割れて」 鷲羽の説明通り、小さな模型が二つに割れた。

その一つは、地球から離れていったが、もう一つは引力に引かれ、徐々に降下している。「本来なら、隕石は粉々に砕けるんだけど、敵のビームと衝突して若干軌道が変わったみたいね。サミーは、もういない・・・打つ手なしね・・・・」

『鷲羽先生! 勝手に殺さないでください!』

 通信機から、サミーの怒りの声が響いた。

「あら・・・生きてたの?」

 鷲羽は、苦笑しながら頬をポリポリとかいた。

「ところで、機体の破損状況は?」

「装甲がはげてるみたいだけど、ほとんど大丈夫です」

「じゃあ、サミー・・・悪いんだけど、落ちてくる隕石を宇宙に押し出してくれる?」

「えっ?」

「今、地球を救えるのは、あなたしかいないの。やってくれるわね?」

 鷲羽の、脅迫混じりのお願いをサミーは、きくしかなかった。

そして、ウイングは光の翼のような、テイルノズルを出して宇宙へ舞い上がった。

 隕石を押し出すため、パワーをMAX近くまで上げると、光の翼が地球を覆いリング状になった。

人の命の輝きのような、光の翼。

しばらくすると、それがだんだんと弱くなり、やがて消えてしまった。

 

「隕石が地球から離れていく・・・」

「助かったのか?」

 世界中の人々が歓喜した。

 一人の少女が、友達の命と地球を救った。

 私たちは忘れない。

 永遠のヒロイン河合砂沙美とプリティーサミーを!

 ありがとうプリティーサミー!

 さよならプリティーサミー!

 

 

 

 

 

「なんだか・・・砂沙美、死んじゃったような終わり方なんですけど・・・」

「砂沙美ちゃん、こういう終わり方のほうが、格好良くていいんじゃない?」

「なんだか、納得いかない〜」