--- NADIA ShortStory ---




突発劇場 「ガーくんとマリちゃん新世紀編 前編」
(伝言板のゲスト、 謎の人さん より頂きました)

 

ネオアトランティス基地。巨大な格納庫内にて話し込むガーゴイルと技術者。
「そうか・・・ではほぼ完成と言う訳だな?」とガーゴイル。
「ええ。まだ調整が必要な部分もありますが。現在テストを繰り返している所です」
「ふふ。アダムを模した人型発掘兵器か。ネモの驚く様が見える様だな」
「ただ・・・現在の我々の技術ではメカニズムの解析までには至らず・・・」
「量産は無理と言う訳か」
「残念ながら」
「まあ良い。これだけの兵器、一体あれば充分だ。ネモの命運もこれまでと言う訳だな」
「おっしゃる通りです」
巨大な倉庫内に横たわるものを見上げる二人。人の形をしている。
余りにも巨大過ぎる。各所を装甲板で覆われ、頭部にはツノの様なものが。
「・・・・む?」ガーゴイルの目に、人型兵器の上で動くものが映る。
「えへへ!どーお似てるでしょ?ジャンだよお。ねーキングう。次は何描こうかあ?ナディアがいいかなあ」
自分の体ぐらいの筆を持って人型兵器の上を走り回るマリーとキング。
頭を押さえしゃがみ込むガーゴイル。
「ガ、ガーゴイル様、大丈夫ですか!?」
「・・・・・・またあいつか・・・」大きくため息をつくガーゴイル。
「何でもない・・・ちょっと待っていろ」人型兵器によじ登り始めるガーゴイル。
「きゃはははは」「ワオン!」
「あー、マリー君?」
「あ、おじちゃーん!見て見てえ!おじちゃんの顔だよお!上手いでしょー!」
人型兵器の装甲板にはヘッタクソな絵でガーゴイルの仮面が描かれていた。
「・・・・・・・・・」拳をプルプルと震わせるガーゴイル。
「あ・・・ああ。とても上手だとも・・・・ところでマリー君。
済まないがここは落書きするところではないのだ。落書きならば向こうでやってくれないかな?」
「ええ?そうなのお?・・うん、分かった。行こうキング!きゃはははは!」「ワオン!」
「フウ・・・・全く・・・・」
「ガ、ガーゴイル様、アレを・・・・・」技術者の指さす方向を見るガーゴイル。
「きゃはははは!ほーら可愛いでしょキング?」「ワオワオン!」
人型兵器のアイカメラににラブリィな目を描き入れるマリー。
「・・・・・・・・」肩をワナワナと震わせるガーゴイル。
「マ、マリー君。そこも落書きしてはダメなのだ・・・・」
「ええーケチィ」「ワオオン」
「じゃあヒゲを描くのならいいよね?」
「イカンと言っとるだろうがああああ!!」思わず叫ぶガーゴイル。
「・・・・・うっ・・・ううっ・・・」
「ハッ!?」マリーの泣きそうな顔で我に帰る。
『し、しまった。私ともあろう者がつい取り乱して・・・・ハッ!?
ぶ、部下も見ている・・・マズイ!何とか取り繕わねば・・・!』
「な、なあんて冗談だよマリー君。落書き結構。どんどんやってくれ給え・・・ハハハ」
「ガ、ガーゴイル様!?」
「本当!?おじちゃん!」喜ぶマリー。
「あ、ああ本当だとも・・・」
『しまったあ!思わずその場の勢いで適当な事を!』モノローグで焦るガーゴイル。
「良かったねキングう!何描こうか!?」「ワオオン!」喜ぶマリーとキング。
「マ、マリー君!お腹は空いていないかね!?」何故か必死なガーゴイル。
「え?う〜んそう言えば少し・・・」「ワオン」「キングも空いてるって・・・」
「そうか、空いているか!君、マリー君達にお菓子を用意してあげなさい!」
嬉しそうなガーゴイル。技術者に向かって叫ぶ。
「ハ、ハハッ!」
技術者が二人を連れて行くのを見送るガーゴイル。
「・・・・・・ハア・・・・」ガックリと肩を落としため息をつくガーゴイル。
人型兵器はアートな感じに仕上がっていた・・・・。
 

「ズズズ・・・・」
ガーゴイル自室。仮面をつけたまま器用にコーヒーを飲むガーゴイル。
『全く・・・・今日はツイていない様だな・・・会議は短めに終わらせて
早く寝るとするか・・・・』そんな事を考えていた時。
「ドンドン!」ドアを激しくノックする音が響いた。
「騒々しいぞ、何事だ?」コーヒーをあおる。
「大変です!例の子供が人型兵器を!」
「ブハッ!・・・ゴホッ!ゲホッ!熱っ!!な、中に!」何やらえらい事になっている様だ。
「ガーゴイル様!?大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ。それよりどうなっているのだ!?」
「はっ!例の子供が人型兵器を動かして暴れています!基地中大混乱です!」
頭を抱えるガーゴイル。
「今すぐ行く!スタッフを発令所に集めるのだ!」
「ハッ!」

(後編に続いたりなんかしちゃったりする)


謎の人より
思わず長くなっちゃったので分けました。


 

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