「きゃはははは!そーれジャーンプ!」「ワオーン!」
人型兵器のコクピットではしゃぐマリーとキング。
一体いつ着たのか、体に密着した変な服を身につけている。
マリーがレバーをガチャガチャと動かす。どう見てもデタラメだ。
人型兵器は両腕をメチャクチャに振りながら仰け反る。
「うわあああ!危ないぞお!総員待避ーーー!」
人型兵器の近くにいた兵士達が蜘蛛の子を散らす様に逃げていく。
「あれえ?みんなどこに行くのお?」
歩き出す人型兵器の外部スピーカーからマリーの声がする。
「ぎゃあああ!こっちに来るなああ!!」
基地内は阿鼻叫喚と化していた。
「ガーゴイル様!」
発令所内に入って来たガーゴイルに、近くにいた兵士の一人が駆け寄る。
「これより第一次警戒態勢に入る。目標は破壊してはならん。無傷で捕獲するのだ」
ガーゴイルが司令官席に向かいながら命令する。
「ハッ!・・・・・・・ガーゴイル様?」
「何だ?」
「どうして司令官席にお着きにならないので?」
司令官席の横に立ったままのガーゴイルに兵士が訝しげな顔をする。
「・・・おっとイカン・・・間違えた」慌てて司令官席に着くガーゴイル。
「良し。近くの無人走行兵器を向かわせろ」
「ハッ!」
「きゃははははは!!・・・・・ん?ねえキング何だろうあれ」
人型兵器のモニターに、歩いてくる数体の無人走行兵器が写る。
大きさは人型兵器の踝ぐらいしかない。
「きっと遊んで欲しいんだね。よーし!」
人型兵器は無人走行兵器をムンズと掴むと、お手玉を始めた。
人型兵器に弄ばれる無人走行兵器。
「ガ、ガーゴイル様!歯が立ちません!」
部下に持ってこさせたのか、氷嚢を額に当てているガーゴイル。
「・・・・・・・くく・・・・やむをえん。B作戦を発動する」
「し、しかしガーゴイル様、アレは・・・・」
「かまわん、やれ」
「ハ、ハイ!」
人型兵器は依然デタラメな動きで暴れ回っていた。
「ねーキングう。そろそろ飽きたねー。降りようか?」「ワオワオン」
「え?また何か来るって?」
モニターを見るマリー。空から何かがこちらに向かって来る。
飛行機?・・・・コンテナの様なものを吊り下げている。
「何だろう?・・・」
飛行機はマリーの乗る人型兵器の上を旋回し、コンテナの底を開いた。
途端、何か大量のものが落ちてくる!まさか爆弾!?
だが爆発はせず、そのまま地面に降り積もる。
「あれえ?これ・・・・バナナの皮だよ・・・あっ!」
バナナの皮を踏んでしまった人型兵器は、足を滑らせて仰向けに倒れた。
「きゃーーーーっ!」「ワオーーーン!」
「ガーゴイル様!成功です!目標は動きを止めました!」
「フウ・・・・やれやれ。近くの者に回収に向かわせろ」
「ハッ!・・・・・・・・何!?こ、これは!」
オペレーターが驚きの声を上げた。
「どうした?」ガーゴイルが顔を向ける。
「大変です!今のショックで電気系統に異常が!」
「何!?」
モニターに写る人型兵器が起きあがろうとしている。
「あ、あれえ?あたし動かしてないよお・・・」
人型兵器は、起きあがるといきなり全速力で走り始めた。
「どうした?何が起こっているのだ!?」ガーゴイルが尋ねる。
「こ、これは・・・・暴走です!暴走しています!」
「何ぃ!?」
人型兵器は山を越え川を越え走り続ける。
「大変です!このまま行くと・・・・海に出ます!」
「何とかしろ!」
「ダメです!停止信号も受け付けません!」
「あああ!私の人型発掘兵器が!!」ガーゴイルが頭を抱える。
モニターに映る人型兵器は、海にザボンと飛び込み、そのまま消えていった・・・・。
「ああ・・・・巨費を投じた計画が・・・・・・」うなだれるガーゴイル。
大きくため息をつく。
「だが・・・これでやっとあのやっかいな娘も消えたか・・・・まあこれでチャラとすか」
「ガ、ガーゴイル様!海中から何か飛び出して来ます!」
「何?」
モニターを見るガーゴイル。
噴射煙を引きながら飛ぶそれは、真っ直ぐこちらに向かって来る。
「あ、あれは緊急脱出ポッド!ああっ!こっちに来ます!に、逃げろぉ!」
オペレーターが叫ぶ。
モニターに映るポッドがアップになる。
「うわあああああああ!!」
大音響と共に発令所の壁をやぶりポッドが突入してきた。
ガーゴイルの直前で停止するポッド。
それを微動だにせず見つめるガーゴイル。
ポッドのハッチがゆっくり開いた・・・。
「えへへへへへへ・・・・」「ワオオン」マリーとキングが顔を覗かせる。
「ごめんなさーい・・・・こんな時どんな顔したらいいのか分かんないの」
頭を掻くマリー。
「・・・・・・・・・もう笑っとるではないか・・・・・・」ガーゴイルの首が後ろにカクンと曲がった。
「ああ!ガーゴイル様!だ、誰か早く担架を!」
ノーチラス号ブリッジ。
「ネモ船長。非常用回線に通信が入っています・・・・これは・・・ガーゴイル!?」
エレクトラが通信機を耳に当てながら言う。
「よし、繋げ」
「は、はい・・・あの・・・それが・・・」
「何だ?」
「何だか泣いてるみたいですけど・・・・ガーゴイル」
「・・・・・・・・・・・・」
無言で見つめ合う二人。 (なんとなく終わる)
いけいけマリー!ガッツだマリー!今だ必殺マリーパンチ!
涙は拭くな!後ろは見るな!悪の組織を倒すまで!
(謎の人より )
エヴァネタですね。同じガイナックスという事で。
それにしてもナディアの誕生日だと言うのにナディアが出てない・・・・・(笑)
まあいいか。それじゃあみなさんさようなら!
おまけ
キング:「マリーちゃん!プリティマリーに変身だ!」
マリー:「ええっ!?やだよおアレ恥ずかしいもん」
ジャン:「ナディア!プリティナディーに変身だ!」
ナディア:「バッカみたい」
ハンソン:「姐さん!・・・・・いえ、何でもありません」
グランディス:「どういう意味だいそれは!?ええハンソン!」(胸ぐらをつかまれるハンソン)
エレクトラ:「私やってみようかしら・・・・」
ネモ船長:「・・・・・・・・・・」(汗を垂らしながら見つめる)